Journal de Gien 11月6日号 33ページ Saint Brisso nsur Loireで11月8日から23日まで       ヨーロッパ現代美術展開催  30年を記念して各国から才能ある芸術家が集合 Saint Brisson sur Loireが現代美術の中心地となって既に30年が経過した。ミッシェ ル・シュヴァリエ氏がこの展示会に全身全霊を打ち込んで30年、このサロンは秋に欠 かせないものとなった。1978年もともとアマチュア芸術家の展示会に過ぎなかった ものが、世界各地から才能ある芸術家が参加する国際規模となって久しい。2000年 からは2年に一度の開催となり、第27回目の今年も実行委員会の掟にたがわず、「特 別招待芸術家なしでハイレベルの芸術」を守っている。 協会会長の彼は、2008年度もいつものように訪れる人々が多数の展示芸術家の世界 を見出すという喜びを得ることに重心を置いている。 この目的のために会長はフランス各地の画廊やアトリエを訪ね回り、芸術家を見出し、 2008年度の展示会に参加して共に実現するよう説得して歩いた。 今年芸術家は全部で33名、絵画26点と彫刻が7品、それぞれが独自の技術、色彩、 雰囲気と芸術的な重さを持っている。密度の高い真の出会いが訪れる人々をその世界に 引き込むことであろう。11月8日から日曜日23日までSaint Brisson sur Loire の公民館で開催される。 元人質のフローランス・オブナの肖像とマキシリアリズムの想像世界 例えば今年はマキシリアリズム創設者であるダン・ジャコブソンの独特な世界の新発見 があるかもしれない。 「それは想像現実の動きである。現在、過去或いは未来という時 差が結合し、なるほどと思われる視界を作り上げる。物理的にはすべて可能であり、夢 が現実を押し流す。」 「漁港パリ」や「夏の非常口」といった絵画が彼の理論を具現して いる 2008年度のカタログも彼の作品で飾られている。ポスターにはノルウェー出 身で少女の彫刻を専門とするべリットが選ばれた。 他にも出会いはある。アメリカ人トム・アダムスは建築を学んだ人で、アガサ・クリス チーの本やアイロン・メイデン、ロウ・リードのアルバムの表紙イラストを担当した。 又チヤールス王子やフェデリコ・フェリーニのような有名人の肖像画も描き、一方20 01年作製の「宇宙のオデッセー」「フラッシュ・ゴードン」のような科学フィクショ ン映画製作にも参加し、広告業界でも仕事をしている。 別のカテゴリー、クリスチャン・ビエはフランス軍隊のお抱え画家で、大賞やメダル受 賞者である。サンプリッソンの展示会には「CDG157」即ち「Correspondant De Guerre−157jours de captivite(戦争通信員、囚われの157日)」を出品、フローラ ンス・オブナの肖像画である。 だまし絵、日本女性彫刻家、そして「じゃがいも」のビュスト だまし絵愛好家にはミッシェル・ブガの絵とジャニンヌ・ドラボルトの絵が楽しいこと であろう。彫刻が好きな人はミッシェル・コックベルグとその息子エマレイの作品、マ ルセル・ダニエルやフィリップ・アルノー、それから非常にオリジナルなダニエル・ル クレールのパルマンチエの胸像はジャガイモを彫って石膏で覆ったものである。芸術家 の中で最も遠方から参加したのは、間違いなく日本人彫刻家の戸田和子であろう。金曜 日夜のヴェル二サージに出席するため、わざわざ東京から訪れ彫刻3点を出品する。石、 粘土、木材と樹脂を混ぜ合わせて作る。日本大使館からは高原公使が出席する。 アルファベット順で2008年度最後に名を連ねるのはジャン・バプチスト・ヴァラデ イーで、このサロンの名声を更に高める必要があるとすれば、それは彼の参加である。 国境なしの彼の才能は数々の栄誉に輝き、数多くの本のイラストで受賞している。なか でもサンテグジュペリの星の王子様、コクトーの美女と野獣、ジョルジュ・ブラッサン スの詩10編は有名である。 第27回現代美術展に行って満喫する理由は、たくさんあるわけである。